2025年の第1~第3四半期(1月~9月期)、上海市全体の経済運営は安定の中にも成長が見られ、着実に好調を維持しました。経済の発展の原動力と活力は一段と高まっています。
経済成長の面では、国際環境の複雑化・厳しさや、国内の構造調整の圧力といった困難な課題に直面しながらも、1月~9月期における上海市の域内総生産(GDP)は前年同期比で5.5%増加し、上半期の増加幅を0.4ポイント上回りました。物価と所得の面では、同期間における上海市の消費者物価指数(CPI)は前年同期とほぼ同水準を維持し、住民一人あたりの可処分所得は前年同期比で4.3%増となりました。輸出入の面では、同期間における上海市の貨物輸出入総額は前年同期比で5.4%増加し、そのうち輸出総額は11.3%の伸びを記録しました。
上海では工業経済の成長が加速しています。マクロ政策の効果が表れてきたことと産業の高度化という二つの要因により、今年1月~9月期、上海市の一定規模以上の工業の付加価値は、前年同期比で5.3%増となり、増加率は上半期より0.2ポイント上昇しました。主要サービス産業は引き続き牽引役を果たしています。また、金融業の付加価値は前年同期比9.8%増、情報伝送・ソフトウェア・情報技術サービス業の付加価値は同15.5%増となりました。
また、1月~9月期、上海市の三大主導産業の製造業の生産額は前年同期比8.5%増で、市全体の一定規模以上の工業の総生産額の伸び率を2.8ポイント上回りました。そのうち、人工知能関連生産業は12.8%増、集積回路製造業は11.3%増となりました。さらに、ハイテク製造業の生産額は前年同期比10.3%増となり、上海市の一定規模以上の工業の総生産額の伸び率を4.6ポイント上回りました。その中でも、航空宇宙機器・設備製造業の生産額は前年同期比20.6%増、電子・通信機器製造業は13.4%増を記録しました。1月~9月期において、風力発電装置の生産量は前年同期比1.0倍、エネルギー蓄積用リチウム電池の生産量は27.9倍増加しました。9月末時点で、上海市の有効な発明特許保有件数は30万6000件に達し、前年同期比12.7%の増加となっています。
今年、1月~9月期、上海市の社会消費財小売総額は前年同期比で4.3%増加し、増加率は上半期より2.6ポイント上昇しました。「下取りによる買い替え」補助政策のけん引効果により、一定規模以上の小売業者のうち、スポーツ・娯楽用品、家具、家電製品・音響機器の各販売総額はそれぞれ前年同期比27.7%、22.1%、28.2%増加しました。また、「両重(国家重大戦力実施と重点領域安全保障能力建設)」と「両新(大規模設備更新と消費財の下取り)」政策の後押しにより、関連分野の投資が急速に拡大しました。1月~9月期、都市インフラ投資は前年同期比11.7%増加しました。そのうち、電力建設への投資は42.1%増、交通輸送インフラへの投資は26.5%増となりました。工業投資も前年同期比20.3%増加し、その中でも電子情報製品製造業への投資は41.8%の大幅な増加を見せました。
さらに同期間中、上海市の一定規模以上の民間企業の工業総生産額は前年同期比9.8%増加し、市全体の一定規模以上の工業総生産額の伸び率を4.1ポイント上回りました。また、1月~8月における一定規模以上の民間企業のサービス業の売上高は前年同期比で9.5%増加し、市全体の一定規模以上のサービス業の売上高の伸び率を1.8ポイント上回りました。