10月22日、上海市は2025年第3四半期までの経済データを発表しました。同市のGDP成長率は前年同期比5.5%増となり、全国平均を上回りました。注目すべきは、厳しい外部経済環境の中でも、上海が極めて優れた対外貿易の成果を示したことです。
統計によると、第1~第3四半期における上海市の輸出入総額は3兆3400億元で、前年同期比5.4%増、全国平均を1.4ポイント上回りました。年初には、上海の輸出入増加率は全国を下回っていましたが、第2・第3四半期には大幅に改善しました。第1・第2・第3四半期の輸出入規模はそれぞれ1兆100億元、1兆1400億元、1兆1900億元で、前年同期比でそれぞれ2.5%減、7.2%増、11.2%増となりました。
総じて、上海の対外貿易は「階段状の上昇」傾向を示しています。特に第3四半期の数値は際立っており、上海の対外貿易規模は単四半期で過去最高を記録しました。9月には輸出入総額は4059億元に達し、初めて4000億元の大台を突破しました。
では、今年の上海の対外貿易はなぜこのように「逆転」できたのでしょうか。
まずは、輸出が今年の上海の対外貿易拡大の主な原動力となりました。第1~第3四半期、上海の輸出は前年同期比11.3%増で、全国平均を4.2ポイント上回りました。輸出の加速は、工業製造業の産出拡大と密接に関連しています。3大先導産業、高度製造業、グリーン産業の発展が、上海の輸出拡大を牽引しています。
3大先導産業のうち、第1~第3四半期における集積回路、人工知能、バイオ医薬産業の輸出額は1936億7000万元で、前年同期比10.3%の増加となりました。革新的医薬品の国際展開の加速や、上海の産業政策の最適化により、医薬品および化学薬品原料の輸出はそれぞれ21.5%、40.7%増加しました。
先端製造業の輸出も顕著に拡大し、産業用ロボット、航空宇宙装備、ハイエンド工作機械、石油化学機械の輸出はそれぞれ41.6%、39%、36.5%、29.6%増となりました。
また、グリーン製品の輸出も依然として好調で、第1~第3四半期における「新三様」(太陽光発電設備・電気自動車・リチウム電池)は前年同期比6.3%増で、引き続き1000億元を超える輸出規模を維持しました。特にテスラ蓄電工場の稼働によりリチウム電池の輸出は321億5000万元(20.7%増)、上海汽車のハイブリッド車輸出拡大により上海市のハイブリッド車の輸出は196億1000万元(2.1倍増)に達しました。さらに、グリーン航運装備も急成長し、液体貨物船の輸出は206億3000万元(82.7%増)と大幅に伸びました。
そして、輸入も堅調でした。今年に入り、輸入は第1四半期の12.5%減から、第3四半期には10.9%増へと転じ、高度技術製品や高付加価値原材料の需要が拡大しています。
一方では、半導体製造装置、コンピュータとその部品、航空機とその部品の輸入急増が、産業転換の切迫した需要を反映しています。他方では、金属鉱石の輸入量・金額ともに増加し、銅・アルミなどの金属鉱石輸入額は81.6%増、輸入量は66.9%増となりました。
さらに注目すべきは、今年、上海の新興市場の開拓が顕著な成果を上げ、市場構造が次第に多元化している点です。これまでEUとアメリカが上海の輸出入市場の上位を占めていましたが、第1~第3四半期にはEU向けとアメリカ向けの輸出入がそれぞれ0.4%と8.1%減となり、両者のシェア合計は上海の外貿総額の27.7%と、前年同期比で2.5ポイント低下しました。
では、上海の輸出増分を見てみると、第1~第3四半期に、上海のブラジルやインドなど他のBRICS諸国への輸出は2046億3000万元で27.7%増、アフリカ向けの輸出は645億5000万元で79.2%増となっています。
最後に、上半期に好調だった民営企業が、対外貿易においてますます重要な役割を果たしていることも注目に値します。第1~第3四半期、上海の民営企業の輸出入総額は1兆3200億元で、前年同期比27.1%増と、すべての経営主体の中で最も高い伸びを示しました。これにより、上海の輸出入増加への寄与率は164.5%に達しました。民営企業の輸出入規模のシェアは、上海の外貿全体の約4割を占め、前年同期比より6.7ポイント上昇しており、市場の活力が一層高まっています。