1-10月、上海の発明特許の授権件数は前年同期比15%増の計4.34万件に

リリース日:2024-12-13     ソース:japanese.shanghai.gov.cn

12月4日、上海市徐匯区で第21回上海知的財産権国際フォーラムが開催されました。上海は一貫して知的財産権に関する取り組みを非常に重視しており、近年では改革と革新を深化させ、政策の供給を最適化し、知的財産権の創造、運用、保護、管理のサービスを全面的に向上させています。今年1-10月、上海全市の発明特許の授権件数は4万3400件に達し、前年同期比15%以上増加しました。11月末時点で、上海市1万人当たりの高価値発明特許保有件数は56件に達し、昨年末より6件近く増加しました。

上海のPCT国際特許出願件数が10年間で5倍に増加

2014年の上海には5万6000件の有効発明特許、43万2000件の有効登録商標、1038件のPCT(特許協力条約)出願しかありませんでしたが、2023年には保有する有効発明特許の件数が24万1400件で、有効登録商標が261万件で、PCT出願が6185件に達しました。10年間で、特許登録商標の保有件数とPCT出願件数はいずれも5-6倍に増加しました。一方、上海のGDPは2014年の2兆3500億元から2023年の4兆7200億元に倍増しました。

知的財産権の発展は、上海のイノベーション・アイディア産業の発展を意味し、知的財産権は都市の雇用を推進し、持続可能な発展を促進する触媒となります。この役割は上海で果たされており、上海は中国ひいては東アジアでのイノベーションによって発展を促す縮図と言えるでしょう。

上海は世界の科学技術センターになりつつあり、その先進的な産業分野と繁栄したビジネス環境で知られています。上海には人工知能、バイオ医薬、チップ(集積回路)などの重要な分野の2万4000社以上の企業があり、評価額が10億ドルレベルのユニコーン型ベンチャー企業が40社近くあり、その数が世界6位にランクされています。

知的財産権については、昨年37万件近くの商標出願、10万件の特許出願及び2万5000件の意匠特許出願が提出され、上海は中国ひいては世界範囲でも知的財産権活動の重要なセンターの一つになりました。また、世界知的所有権機関の世界トップ100の科学技術クラスターランキングでは、「上海-蘇州クラスター」が世界5位にランクインし、上海の科学者は『Cell』、『Nature』と『Science』で25%を超える成果を出しました。

知的財産権資産の価値も十分に引き出されました。昨年、上海地元の知的財産権担保融資は過去最高を記録し、1500件の取引が成立し、総額は230億元に達し、取引量は2022年より90%増加しました。上海の知的財産権保険と証券化の進展は、中国国家知的財産権局とその他の重要機関に「最良実践例」と認定されました。

今日、世界経済の構造と革新の構造に深刻な変革が起こり、環大西洋から環太平洋へと拡散するという構造ができており、中国ひいては東アジアはすでに世界革新の中心地となっています。WIPOの世界知的財産指標報告書によると、2023年の世界特許出願は350万件に達し、中国、日本、韓国がその67%を占めました。2023年の世界のPCT出願は27万2600件で、アジアからのPCT出願は2013年時点の40.5%に過ぎないことに対し、55.6%を占めました。

生成AI人工知能特許数が爆発的に増加

フォーラムでは、出席者が口をそろって「人工知能」に言及しました。生成AIの急速な発展に伴い、世界中の関連知的財産権の出願と登録も活発に進められてています。世界知的所有権機関が2024年発表した「Patent Landscape Report - Generative Artificial Intelligence」の調査によると、2023年までの10年間に54000件の生成AI関連の発明が出願され、このうち25%以上が2023年に出願されました。中国の発明者が出願した生成AI特許の数が最も多く、関連する科学技術論文の発表数も最も多かったです。

中国、日本、韓国はいずれも、生成AIの特許取得に重要な貢献をしてきました。日本特許庁の小野洋太長官によると、特許庁は特許分類や既存技術検索の取り組みに人工知能を徐々に導入しており、特許管理においても生成AIを活用することを検討しています。また、AIによる「発明」は発明に認定されてもいいか、またはAIでも発明者に認定されてもいいか、この問題については訴訟が発生したことがあり、さらなる検討が必要ですと同氏は示しました。